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のわき

野分

夏目 漱石

一个直言不讳的文学老师,在乡村中学碰了一鼻子灰。理想撞上现实的台风,他还能像野分一样坚持自我吗?

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 93,508 字 · 189 页

青空文庫

「まあ聞いていらっしゃい。まだ、あとが有るんです。――しかし、ほかの事とは違うから、是非なければ困ると云うならおれが保証人になって、人から借りてやってもいいって仰しゃるんです」

「あやしいものだ」

「まあさ、しまいまで御聞きなさい。――それで、ともかくも本人に逢って篤と了簡を聞いた上にしようと云うところまでに漕ぎつけて来たのです」

細君は大功名をしたように頬骨の高い顔を持ち上げて、夫を覗き込んだ。細君の眼つきが云う。夫は意気地なしである。終日終夜、机と首っ引をして、兀々と出精しながら、妻と自分を安らかに養うほどの働きもない。

「そうか」と道也は云ったぎり、この手腕に対して、別段に感謝の意を表しようともせぬ。

「そうかじゃ困りますわ。私がここまで拵えたのだから、あとは、あなたが、どうとも為さらなくっちゃあ。あなたの楫のとりようでせっかくの私の苦心も何の役にも立たなくなりますわ」

「いいさ、そう心配するな。もう一ヵ月もすれば百や弐百の金は手に這入る見込があるから」と道也先生は何の苦もなく云って退けた。

江湖雑誌の編輯で二十円、英和字典の編纂で十五円、これが道也のきまった収入である。