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のわき

野分

夏目 漱石

一个直言不讳的文学老师,在乡村中学碰了一鼻子灰。理想撞上现实的台风,他还能像野分一样坚持自我吗?

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 93,508 字 · 189 页

青空文庫

擂鉢の底は半円形を劃して空に向って広がる内側面には人間の塀が段々に横輪をえがいている。七八段を下りた高柳君は念のために振り返って擂鉢の側面を天井まで見上げた時、目がちらちらしてちょっと留った。excuse me と云って、大きな異人が、高柳君を蔽いかぶせるようにして、一段下へ通り抜けた。駝鳥の白い毛が鼻の先にふらついて、品のいい香りがぷんとする。あとから、脳巓の禿げた大男が絹帽を大事そうに抱えて身を横にして女につきながら、二人を擦り抜ける。

「おい、あすこに椅子が二つ空いている」と物馴れた中野君は階段を横へ切れる。並んでいる人は席を立って二人を通す。自分だけであったら、誰も席を立ってくれるものはあるまいと高柳君は思った。

「大変な人だね」と椅子に腰をおろしながら中野君は満場を見廻わす。やがて相手の服装に気がついた時、急に小声になって、

「おい、帽子をとらなくっちゃ、いけないよ」と云う。

高柳君は卒然として帽子を取って、左右をちょっと見た。三四人の眼が自分の頭の上に注がれていたのを発見した時、やっぱり包囲攻撃だなと思った。なるほど帽子を被っていたものはこの広い演奏場に自分一人である。