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のわき

野分

夏目 漱石

一个直言不讳的文学老师,在乡村中学碰了一鼻子灰。理想撞上现实的台风,他还能像野分一样坚持自我吗?

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 93,508 字 · 189 页

青空文庫

ぱちぱちと手が鳴ると熱病の人が夢から醒めたように我に帰る。この過程を二三度繰り返して、最後の幻覚から喚び醒まされた時は、タンホイゼルのマーチで銅鑼を敲き大喇叭を吹くところであった。

やがて、千余人の影は一度に動き出した。二人の青年は揉まれながらに門を出た。

日はようやく暮れかかる。図書館の横手に聳える松の林が緑りの色を微かに残して、しだいに黒い影に変って行く。

「寒くなったね」

高柳君の答は力の抜けた咳二つであった。

「君さっきから、咳をするね。妙な咳だぜ。医者にでも見て貰ったら、どうだい」

「何、大丈夫だ」と云いながら高柳君は尖った肩を二三度ゆすぶった。松林を横切って、博物館の前に出る。大きな銀杏に墨汁を点じたような滴々の烏が乱れている。暮れて行く空に輝くは無数の落葉である。今は風さえ出た。

「君二三日前に白井道也と云う人が来たぜ」

「道也先生?」

「だろうと思うのさ。余り沢山ある名じゃないから」

「聞いて見たかい」

「聞こうと思ったが、何だかきまりが悪るかったからやめた」

「なぜ」

「だって、あなたは中学校で生徒から追い出された事はありませんかとも聞けまいじゃないか」