轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

きんがでずに、なしのうまれたはなし

金が出ずに、なしの産まれた話

小川 未明

「童話文学」1930(昭和5)年6月

N3 · 进阶 · 新字新假名 · 2,640 字 · 6 页

青空文庫

と、ここをあるくたびに、村の人はいくたび、木をながめていいましたでしょう。

しかし、三人のなしの木は、伸びて、大きくなりました。そして、木はあちらの海が、見えるほどの高さになったとき、はじめて、三本とも白い花をつけたのであります。めじろや、ほおじろが、その枝にとまって、明るい海の方の空を見やりながらさえずりました。

三本のなしの木は、夏の末には、いずれもみごとな実を結びました。村の人は、それをとって食べると、あまり、その味がうまかったので、たちまち、評判になりました。

「この村に、なしの木を植えるべえ。」と、百姓たちは考えつきました。

昔、金持ちの住んでいた屋敷も、荒れはててそのままになっていたが、いつしか、そこにもなしの木の苗は、植えられたのです。春になると、村のあちら、こちらに、雪のような、白いなしの花が咲きました。そして、いずれも、夏のころにはみごとに実ったのであります。

「どういうものか、この土地は、なしに性が合うとみえるだ。」

こういって、村の人は、平地といわず、山地といわず、なしの木を栽培して、これを名産にしようと企てました。やがてこの村は、なしの名産地となりました。