轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

きんのうお

金の魚

小川 未明

「面白倶楽部」1921(大正10)年1月

N3 · 进阶 · 新字新假名 · 4,768 字 · 10 页

青空文庫

占い者が金の魚を食べればなおるといったけれど、そんな金の魚は、この世の中に棲んでいないのかもしれない。たとえ棲んでいても、自分の不運のために、その魚が針や、網にかからないのかもしれないと金持ちはなげいていました。

金持ちは、外へ出て河のほとりへいってみますと、どこの河辺も人でいっぱいでありました。みんな金色の魚を捕らえようとしているのです。

「これほどまでにしても、金の魚がかからないなら、まったく、俺の運がつきたのだ。」と、金持ちはつくづくと我が身の上を悲しんだのでありました。

金持ちは、これだけの金を持ち、土地を持ち、なに不足なく暮らすことができ、そのうえに、年も、まだそう老ったわけでないのに、これをみんな残して、自分独り死んでいってしまうことは、なんという悲しいことだろうと思いました。

「どうしたら金色の魚が捕らえられるだろうか。」と、金持ちは思い惑いました。

名人の占い者は、もはやこの町にはいませんでした。旅から旅へ、渡り鳥のように歩く占い者は、どこへかいってしまったのです。金持ちは、いまさらそのことを占い者にたずねることもできなかったのであります。