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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(七)平次女難

野村 胡堂

野村胡堂『銭形平次捕物控(七)平次女難』。同一底本的分册已合并为一书。收入:銭形平次捕物控、銭形平次捕物控、銭形平次捕物控、銭形平次捕物控、銭形平次捕物控、銭形平次捕物控、銭形平次捕物控、銭形平次捕物控、銭形平次捕物控、銭形平次捕物控、平次と生きた二十七年。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 152,696 字 · 310 页

青空文庫

はすっかり気が変って源助の言う事を聞かなかったので、前から抱き寄せるようにして、隠し持った匕首で一と突きしたのです。

「櫛は、源助がチョイチョイ私の家へ来るうち、何かの役に立てよう、と思って持って行ったのでしょう。どうかしたら、昨日お静が飛出す時、あわてて落したのを拾ったものかもわかりません」

平次はこう説明して、一度辛く当ったお静へ、――勘弁しろよ――といった優しい眸を送りました。お静はもう嬉し泣きに泣いて、それも気の付かない様子です。

「ところでその笹屋の源助というのはどうした、急いで手配しなければなるまい」

と、笹野新三郎。

「それには及びません、あれでございます」

指さす人込みの中から、一人の男、身を翻して逃げ出そうとするのを、早くも平次の手から飛んだ投げ銭、一枚はその項を、一枚は背を打ちます。

「あッ」

ひるむところを、どこをどう飛込んだか、親分の気を知ることの早い八五郎は、サッと飛込んで後ろから組付きました。

「これが笹屋の源助か」

笹野新三郎は、もの優しくさえ見える縄付を顧みました。

「そうでございます、三人組の首領で、人殺し房吉という、恐ろしい男でございます」