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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(九)不死の霊薬
野村 胡堂
野村胡堂『銭形平次捕物控(九)不死の霊薬』。同一底本的分册已合并为一书。收入:銭形平次捕物控、銭形平次捕物控、銭形平次捕物控、銭形平次捕物控、銭形平次捕物控、銭形平次捕物控、銭形平次捕物控、銭形平次捕物控、銭形平次捕物控、銭形平次捕物控、銭形平次捕物控。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 144,106 字 · 292 页
「殺された者の名を聞いたか」
「いいえ」
「弥助という遊び人だ」
「ヘエ――」
「元は髪結だったそうだな、お前も知っているだろう」
「ヘエ、よく存じております」
これは知らないとは言えません。髪結の弥助というやくざ者、腕っ節も男前も相当で、日本橋界隈にはすっかり売込んでおりますが、一時、お静が両国の水茶屋にいた頃、それを張って、張って、張り抜いて、銭形の平次と鞘当をやった男。忘れようのない相手だったのです。
「その弥助が殺された。二階で、月か何か見ているところを、庇を渡って来た曲者にやられたらしい。階下にいる者は何にも知らなかったと言うから」
「ヘエ――下手人の当りがございましょうか」
「それが困った。傷は、左の眼を深く突かれた上に、額を割られている。側には、肉の厚い永楽銭が一枚落ちていたが、額の疵とピタリと合う」
「えッ」
平次も驚きました。投げ銭の曲者の出現は、これが二度目です。石原の利助は幸いに助かりましたが、弥助が死んだとすると、これはなるほど話がむつかしくなりそうです。
「弥助の眼を突いたのは、銭ではない、槍かも知れない。どうかしたら匕首かも知れない。とにかく、二階の手摺に居たんだから、下の往来から突き上げたとすると、三間半もある長柄か、物干竿だ。