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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十五)茶碗割り
野村 胡堂
野村胡堂『銭形平次捕物控(十五)茶碗割り』。同一底本的分册已合并为一书。收入:銭形平次捕物控、銭形平次捕物控、銭形平次捕物控、銭形平次捕物控、銭形平次捕物控、銭形平次捕物控、銭形平次捕物控、銭形平次捕物控、銭形平次捕物控、銭形平次捕物控、江戸の昔を偲ぶ。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 109,804 字 · 225 页
五
「盗る方には用心はあるが、金を投り込む方には用心はない。こいつはだいぶわけがありそうだよ、八」
平次は八五郎を眼で誘って、いきなり隣の九郎助の家へ――。
「御免よ」
遠慮なく表の格子を開けます。
「ヘエヘエどなた様で」
格子を開けて招じ入れたのは、五十二三の実体な男でした。
「俺は神田の平次だ」
「ヘエ、銭形の親分さんで」
「この財布を知っているだろうな」
「…………」
九郎助の顔色はサッと変りました。
五
「親分さん、お疑いは御尤もですが、私はなんにも存じません」
九郎助は灯から顔を反けるように、ただおろおろと弁解するのです。見る影もない中老人で、半面に青痣のある、言葉の上方訛も妙に物柔らかに聞えます。
「いや、隣のお神さんを刺したのはお前とは言わない。――あの晩まで木戸を閉めずにいたようだから、生垣を越せば、曲者は外からでも入って来られる。――が今晩は違う。木戸は厳重に閉めてあったし、すぐ生垣の向うの部屋にいる俺たちに聞かせないように、その財布を投り込むには、この家の庭から竹桿の先かなんかに引っ掛けて、そっと送り込むほかはない、どうだ――」
平次は九郎助の顫える頸を見ながら続けました。