轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
かぎ
鍵
谷崎 潤一郎
「中央公論」中央公論社、1956(昭和31)年1月、5月~12月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 102,182 字 · 200 页
熟睡しているのを見届けて茶の間に入り、日記帳の製本に取りかかる。二冊に分けて、十六日までの分は用箪笥の抽出に収め、十七日以後の分は二階へ持って行って書棚に隠す。この仕事に一時間を費す。二時過ぎ頃から病室に戻る。病人はずっと眠りつづけている。………
午後一時、児玉さん来診。格別の変化なし。このところ血壓も一八〇より一九〇内外を上下している。もう少し下ってくれないものかと、児玉さんは首をかしげる。昼間は依然十分な安眠が得られないらしい。………
………十一時、庭に音が聞える。………
四月二十八日。………十一時、庭に………
四月二十九日。………十一時、庭に………
四月三十日。………午後一時、児玉さん来診。………来週早々、今一度相馬先生に見てお貰いになった方がよござんすなと云う。………
………十一時、庭に………
五月一日。………発病以来三度目の日曜である。………敏子、この前の日曜と同じ時刻、午後二時過ぎに現われる。そうではないかと豫期していた通りである。父の寝息を確かめるような風をしてから、「買い物かたがた息抜きに散歩していらっしゃい」と、小声ですすめる。