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ながさきのかね
長崎の鐘
永井 隆
「長崎の鐘」日比谷出版、1949(昭和24)年1月30日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 65,109 字 · 131 页
また衝撃によって生じた精神異常も後者に属する。この原子爆弾が普通の火薬爆弾といちじるしく異なる点は、爆弾破片創がないことと、放射線障害を発すること、および、残留放射能をもって後日長く障害作用を続けることである。
爆圧は言語に絶する強大なもので、爆弾に対して露出していた者、すなわち、戸外、屋上、窓辺などにいた者は叩きつけられ、吹き飛ばされた。一キロ以内では即死、または数分後に死んだ。五百メートルで母の股間に胎盤のついた嬰児が見られ、腹は裂け腸の露出した屍体もあった。七百メートルで首がちぎれて飛んでいた。眼玉の飛び出た例もある。内臓破裂を思わせる真っ白な屍体があり、耳孔から出血している頭蓋底骨折もあった。
熱もずいぶん高温だった。五百メートルで、顔の黒焦げが見られた。一キロ内外で受けた熱傷はまったく特異のものであり、私はこれを特別に原子爆弾熱傷と命名したい。これは熱傷部の皮膚剥離を伴うもので、即時発生した。熱傷を受けた部分だけが皮下組織から剥離し、一センチくらいの幅に細長く裂け、その中途、または端で切断されることもあり、縮み上がり、少しく内方に巻き込み、ぶらぶらとぼろ布か塵払いみたいに垂れ下がっている。