轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
ゆき
雪
楠田 匡介
「探偵新聞」1948(昭和23)年5月5日号、5月15日号、5月25日号、6月5日号、6月15日号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 24,792 字 · 50 页
捜査側では、容疑者として、その時分、当家にいた男達三人を訊問した。
常、それから久三の遠い親類で雇人である、あさの二老女は、寝室は現場からは離れていたし、その時分は、起きもしなかった事が証明されたので、埒外に置かれ三人の男達、五十嵐、伊東、望月の訊問が続けられると、この三人は相前後して、当時厠に起きたと申し立て来た。
五十嵐と、伊東は同じ室に寝ていて伊東は「五十嵐さんの帰って来る音で目を覚した」といっているし、一方五十嵐は、「伊東は自分の起きて行く前から、目を覚していた」と証言している。
望月は望月で「自分の起きた時、書庫にまだ灯がついていて、帰って床に入ると、幽かな人の話し声と、重いドアの閉まる音がした」と申し立てている。その重いドアというのは、とりもなおさず書庫の扉の事で、誰かに嫌疑をかけようとしているらしい事が、うかがわれる。その点を検事が追究すると、
「その足音は男か女か分らないが、一人は太い声の男だった」
と証言した。
太い声の男……それは潮風にかれた伊東の声で五十嵐は、むしろ女に近い程、甲高い声であったし、被害者の早川は、ボソボソした声である。