轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

かみなり

雷

海野 十三

「サンデー毎日 秋期特大号」毎日新聞社、1936(昭和11)年9月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 19,706 字 · 40 页

青空文庫

婆も、貴方に一度お目に懸って、是非一言お詫びがしたいといっていますわい」

「お詫びなどと、そんな話はよしましょう。……しかしお薦めに従い、近いうちにお邪魔に上りますよ」

そういう話のうちに、さっき西空に投げだしたような黒雲があったと思ったが、それがいつの間にやらグングンと黒い翼を拡げてしまって、誰が見ても相当物凄い夕立の景色になってきた。サッと一陣の涼風が襟首のあたりを撫でてゆくかと思うと、ポツリポツリと大粒の雨が降って来た。

櫓を組みかけた工事場では、縄を腰簑のように垂らした人夫が丸太棒の上からゾロリゾロリと下りてくるのが見られた。傍に繋がれた馬は轅を外されて、人家の軒の方に連れてゆかれようとしている。そこへ工事監督の松吉がバラバラと駈けてきた。

「ねエ、北鳴の旦那。……これはちょうど夕立が来ますから、皆を休ませますよ」

「休ませちゃ困るな。まだ三十尺も出来てないじゃないか」と北鳴は苦がい顔をした。「よしッ、今日一杯に百尺の櫓が出来れば、百両の懸賞を出す」

「えッ、百両」と松吉が驚く。

「ほう、百両の懸賞!」と稲田仙太郎も共に驚いた。なんという思い切ったことをする北鳴だろう。