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ふうりゅうばけものやしき

風流化物屋敷

山本 周五郎

「講談雑誌」博文館、1947(昭和22)年10月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 20,228 字 · 40 页

青空文庫

九 妻は内助の交渉が先

などとやっていた。

九 妻は内助の交渉が先

「昨夜は大勢お客さまでしたのね」ある朝とみ嬢は不審そうに訊いた。こっちはなおさら不審である。「客なんかてんでありませんよ」「だって」とみ嬢は指さしをした。生垣の茂みを追って移動した結果、二人は今や柘榴屋敷の裏口の見える所まで動いていたのである、「あそこからさっき、十二三人出ていった方たちがありましてよ」「あああれですか、あれは化物ですよ」「なーんですって」「化物ですよ、客なんかじゃありません」この方はまだ寝呆けていらっしゃるのだ、「いいえ化物なんかじゃございません、わたくしちゃんと見たんですもの、みんな立派に五体の揃った人間でしてよ」「それあそうですとも、五体揃ってなければ歩けやあしません」「でも化物だと仰しゃったじゃあございませんか」「だから、――つまりあれが化物なんですよ」「貴方はどうかしていらっしゃいますわ、だって」「いやどうもしてやしません、こういうわけなんですよ」旦那は解説を始めた、「あの連中はなん年も前からこの屋敷で、丁半という商売をやって来たんだそうです、そこへ私が入ったものだから彼等としては退かなければならない、しかし他には適当な場所がないし、ここは絶対安全で都合がいいから、今後も使わせて貰いたいという相談をされたんですよ」