轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

ぐるめにおくる

食魔に贈る

岡本 かの子

「中央公論」1932(昭和7)年3月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 9,619 字 · 20 页

青空文庫

二人はまったく子供のまま結婚させられた。愚かしい振舞いがあるという評判が立てられた。マリーの母、澳太利の名皇后、マリア・テレザは心配した。マリーの兄ヨセフ親王を娘の附人にフランスへ送った。今のフォワイヨの建物の前身がその時のヨセフの監視事務所になり配下達が宿泊して居た。ヨセフは間も無く澳太利へ帰って帝位に登りヨセフ二世となった。それに因んでフォワイヨの前身はヨセフ二世ホテルと呼ばれていた。現フォワイヨの名前は一八八四年ルイ・フィリップの料理頭フォワイヨがこの店をマネージしはじめてから付けた名だ。

巴里の名料理店にはこの種の歴史附のものが多い。持主は代々変って行く。大概資金を得た料理頭だ。その新持主もその店で稼いで老後を豊に過せるだけの金を溜めたときには早々次の持主へ譲り未練なく故郷の田舎に隠退する。丁度ラルュウの主人ニニヨンのように。彼等はいっている。「人生は楽しまねば損だ」

若いとき働き、老後に楽しむ。小さい貯蓄、小さい田園、小さい城、小さい幸福――この理想は料理店の主人ばかりでは無い。一般の巴里人の理想である。また実行でもある。だから巴里の商店に二代続きは少い。