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まにわねんりゅうのこと
馬庭念流のこと
「上毛警友 第八巻第四号」国家地方警察群馬県本部警務部、1953(昭和28)年4月1日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 2,569 字 · 6 页
今日の竹刀向きの剣術のように丁々ハッシと竹刀でぶんなぐりッこするような技法がない。
「無構え」という妙なヘッピリ腰で三四間離れて立ち、ジリジリと寄ったり離れたりマをはかって、とたんに「ヤットオ」と斬りこむ。攻撃はその一手。
受け手の方は体をひらいて斬り返すか、退いてかわして斬るか、もしくは進んでツバ元で受けて巻き落して斬り返すか、いずれかで、攻めても受けても、どっちにしても一撃できめようという剣法だ。
「無構え」というヘッピリ腰が面白い。しかしよくよく見ると恐しい構えである。百メートル走者の疾走中の瞬間写真のような体形が基本になっている。空中を走る姿を地上に置いたのが無構えで、したがって、いきなり飛びだすに一番都合のよい体形だ。竹刀は横にかまえてブラブラと足とともにハズミをつけているが、力は常に足にある、斬りこむ速力の剣法である。完全に実戦から生れて育ったままの剣法で、お体裁というものが全く見られない。
昔、江戸の言葉に、剣術をヤットオと云い、剣術使いをヤットオ使いと云ったものだが、馬庭念流のカケ声は今でも昔のままヤットオである。
二十四代剣の伝統をつたえる樋口家には昔のままの道場も現存し、門が道場になってる。