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まにわねんりゅうのこと
馬庭念流のこと
「上毛警友 第八巻第四号」国家地方警察群馬県本部警務部、1953(昭和28)年4月1日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 2,569 字 · 6 页
その建物だけはさすが道場らしい威風があるが、門内の居宅は小さなタダの百姓屋。どこにも威風のない当り前の小さな百姓屋である。それが実に好ましい。
いかに里にとじこもるとはいえ、二十四代もうちつづく伝統の家なら自然豪族風や教祖風になりそうなものだが、そういう風がミジンもなくて、しかも今日も尚伝統をつたえているところがすばらしい。それが馬庭念流です、と質素な百姓屋が先祖代々の正しい誇りを語っているように見える。
道場びらきにいろいろな型の披露があったが、古来からの「無構え」のすばらしさにくらべて、江戸の中期以降に附け加えたという矢留めや竹割りはどうかと思った。
紙にぶらさげた青竹をわる。これは石を拳骨でわるのと共に、田舎の祭礼や縁日なぞに唐手使いと称する香具師がやって見せる芸である。むろんその香具師は薬を売るための客寄せにやって見せるだけで、本当の唐手使いではない。
私は唐手の広西五段(唐手では現在五段が最高位である)に、この香具師の竹割りを訊いたことがある。彼は答えた。
「あれは紙にぶらさげてるから竹が割れるのです。一週間も練習すると、誰にでもできるのですよ。