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はとつかい
鳩つかひ
大倉 燁子
「富士 九巻八号」1936(昭和11)年7月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 14,680 字 · 30 页
「何の証拠もないのに――、私に疑いをかけるなんて余り卑劣じゃありませんか。そんな人達の手にかかって捕縛されるよりはむしろ――」
と言ってじりじりと後退りながら、やにわに左手の指輪をぬいて、ハッシとばかり赤星の顔に投げつけ、飛鳥のように窓際へ馳け寄り、白い手を高く挙げたかと思ったら、身を跳らせて窓から下へ飛び降りてしまった。下の敷石の上にはまるで緋牡丹の花束を投げたように、文子の体が粉砕されていた。
赤星が投げられた指輪を拾ってみたら、それは宝田夫人から奪ったものであった。