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たそがれのこくはく
黄昏の告白
浜尾 四郎
「新青年」博文館、1929(昭和4)年7月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 20,453 字 · 41 页
僕あ、深く感謝するよ。」
「…………」
「それでね、僕は今、僕の医者としての君と、親友としての君にききたいことがあるんだが……君、はっきり云ってくれるだろうね。」
「どういう意味だい、それは。」
「つまり僕は一生を賭けた問を君に二つ出したいんだ。その一つには医者としてはっきり答えて貰いたい。それからも一つのには親友としてはっきり答えて貰いたいんだ。」
「うん、できるだけそうするようにしよう。なんでも云って見給え。」
横たわれる大川の顔色には、犯し難き厳粛な色が現れていた。佇める山本の額には汗が浮き出している。彼は大川がどんな問を発するか、片唾をのんで待ち構えた。
「医者として答えてくれ給え。僕は助かりはしないだろうね。とても。もう今にも死ぬかもしれないんじゃないか?」
「…………」
「いや、僕の聞き方が悪かったかもしれない。医者なるが故に、君はそれに答えられぬのかもしれない。それなら親友として云ってくれないか。僕はとても助からないんだろう?」
「ああ、決して安心してはいけない状態なんだ。いつ危険が来るかもわからない場合なんだ。しかし、こんな状態で回復した例はいくらでもある。