轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

こくしかんさつじんじけん

黒死館殺人事件

小栗 虫太郎

「新青年」博文館、1934(昭和9)年4月号~12月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 296,741 字 · 584 页

青空文庫

それとも、古臭いスナイドル銃か四十二磅砲でも向けようという寸法かね」

法水はその時不意に瞼を開いて、唆られたように半身を卓上に乗り出した。

「四十二磅の加農砲! そうだ支倉君。しかし、君がそれを意識して云ったのなら、たいしたものだよ。今度の火精には、けっして今までのような陰険朦朧たるものはないと思うのだ。きっと犯人の古典好みから、ロドマンの円弾が海盤車のような白煙を上げて炸裂するだろうよ」

「ああ、相変らず豪壮な喜歌劇かね。それなら、どうでもいいが」と熊城はいったん忌々しそうに舌打ちしたが、坐り直した。「しかし、論拠のあるものなら、一応は聴かせてもらおう」

「勿論あるともさ」法水は無雑作に頷いたが、その顔には制しきれない昂奮の色が現われていた。「と云うのは、今度の火精だけに、水精・風精――と前例のある、性別転換が行われてないという事なんだ。ところで、あの五芒星呪文に現われている四つの精霊だが、それぞれに水精・風精・火精・地精――と、物質構造の四大要素を代表している。云うまでもなく、中世の錬金道士が仮想していた、元素精霊には違いない。そして今までは、水精と扉を開いた水、風神と倍音演奏――と云っただけの、云わば要素的な符合しか判ってはいなかったのだ。