轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
こくしかんさつじんじけん
黒死館殺人事件
小栗 虫太郎
「新青年」博文館、1934(昭和9)年4月号~12月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 296,741 字 · 584 页
の第二節には、風精の部下である四人の小妖精が現われる。その第一が Crispissa で、髪を櫛けずる妖精だ。それが、クリヴォフ夫人の洗髪を怪しい男が縛りつけた――という個所に当る。その次は、Zephyretta、すなわちそよ吹く風で、その男が扉の方へ遠ざかって行く――ところの記述の中に出てくる。それから三番目は、Momentilla すなわち刻々に動くもので、眼を覚まして夫人が見ようとしたという枕元の時計に相当するのだ。そして、最後が、Brilliante すなわち輝くものだが、それをクリヴォフ夫人は、怪しい男の形容に用いて、眼が真珠のように輝いていた――と云っている。けれども、それにはもう一側面の見方もあって、その真珠という言葉が、古語で白内障を表わしていることが判ると、右眼の白内障が因で舞台を退いた押鐘津多子が、それに髣髴となってくるのだ。しかし、いずれにしても、そういうクリヴォフ夫人の心像を、さらに結論として確実にするものがあった。つまり、ある一点に向って、以上四つの既知数が綜合されていったのだが……それは、ほかでもない夫人固有の病理現象――すなわち脊髄癆なんだよ。