轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

こくしかんさつじんじけん

黒死館殺人事件

小栗 虫太郎

「新青年」博文館、1934(昭和9)年4月号~12月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 296,741 字 · 584 页

青空文庫

算哲博士が黙示図を描いたり、その知られてない半葉を暗示したについては、そこに何か、方向がなけりゃならん訳だろう」と法水はムスッとして答えたが、続いて驚くべき事実が彼の口を突いて出た。「それで、ダンネベルグ夫人を狂人みたいにさせた、怖ろしい暗流が判ったのだ。実は、電話でこの村の役場を調べたんだが、驚くじゃないか、あの四人の外人は去年の三月四日に帰化していて、降矢木の籍に、算哲の養子養女となって入籍しているんだ。それにまだ遺産相続の手続がされていない。つまり、この館は未だもって、正統の継承者旗太郎の手中には落ちていないのだよ」

「こりゃ驚いた」検事はペンを抛り出して唖然となってしまったが、すぐに指を繰ってみて、「たぶん手続が遅れているのは、算哲の遺言書でもあるからだろうが、剰すところもう、法定期限は二ヶ月しかない。それが切れると、遺産は国庫の中に落ちてしまうんだ」

「そうなんだ。だから、そこにもし殺人動機があるものとすれば、ファウスト博士の隠れ蓑――あの五芒星の円が判るよ。しかし、どのみち一つの角度には相違ないけれども、なにしろ四人の帰化入籍というような、思いもつかぬものがあるほどだからね。