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くろふねぜんご

黒船前後・志士と経済他十六篇

服部 之総

服部之総『黒船前後・志士と経済他十六篇』。同一底本的分册已合并为一书。收入:黒船前後、志士と経済、空罎、加波山、咸臨丸その他、汽船が太平洋を横断するまで、黒田清隆の方針、黒船来航、新撰組、せいばい、尊攘戦略史、撥陵遠征隊、福沢諭吉、武鑑譜、望郷、蓮月焼、Moods cashey。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 121,901 字 · 247 页

青空文庫

官許「浪士組」に馳せ参じた諸浪士たちはこの松平容保のなかに、そのいみで自己の同一物を見出すことができたであろう。

非常時京都の警視総監として何よりも検索しなければならぬ「浪士」のなかに、松平容保は他のあらゆるものを――たとえば身分制度にたいする、言語壅蔽にたいする、外夷跳梁にたいする、物価暴騰世路困難にたいする彼らの不満を。またたとえば彼らの背後にある時は「長州」を。のちには「薩州」を――認識することができたが、ただ一つ、これらの基底にあって、これらすべてを「歴史」の爆薬に転ずる一筋の黄色な導線にだけは、最後まで気がつくことができなかった。

守護職松平肥後守は、「浪士」を無下に弾圧する代りに、これを理解し、善導することを念願した。清河と一緒に「寺田屋」派から分離しのち天誅組の謀主となって斃れた藤本鉄石らまで、一時は黒谷の肥後守を訪れることがあった。

「攘夷御一決のこの節、御改革仰せ出され候に付ては、旧弊一新、人心協和候様これなく候ては相成らざる義に候ところ、近来輦轂の下、私に殺害等の儀これあり、畢竟言語壅蔽諸司不行届の致す所と深く恐れ入り候次第に付、上下の情実貫通し皇国の御為御不為に係り候儀は勿論、内外大小事となく善悪とも隠匿致し居り候事ども、聊憚りなく、筋々へ申し出づべく候。