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くろふねぜんご
黒船前後・志士と経済他十六篇
服部 之総
服部之総『黒船前後・志士と経済他十六篇』。同一底本的分册已合并为一书。收入:黒船前後、志士と経済、空罎、加波山、咸臨丸その他、汽船が太平洋を横断するまで、黒田清隆の方針、黒船来航、新撰組、せいばい、尊攘戦略史、撥陵遠征隊、福沢諭吉、武鑑譜、望郷、蓮月焼、Moods cashey。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 121,901 字 · 247 页
(『福翁百余話』)。
福沢とその「塾」とのこの日までの悲壮なる主観いかんはべつとして、それなしにも維新政権とその施政はありしがままの姿をとったにちがいない。史家は誰しも見らるることである。
だからといってこのときの「作者」としての福沢の自得を笑止がる権利もまた史家のものでない。なぜならこの日の自得こそ今日「福沢諭吉」百年祭を祝わせるための現実の契機となっているものだ。福沢が旧幕以来あれほど桑原がったところの「政治」に、なかんずく禁物視した維新政権――大久保に、伊藤・井上・大隈に近づくための第一直接の契機はただこれに在った。福沢がインテリたり、ドン・キホーテたる旧境を一躍揚棄できた飛込台はこれであった。
あとはすべてそこからの当然の帰結にすぎない。『学問のすゝめ』はいわば実践期としての福沢の後史をマークする宣言書である。「慶応義塾」もまたその使命を当然に変更した。それはもはや単なる「洋学」のためのロマンチックな「出島」ではなく、新興日本資本主義の基盤部分にむかって、ついで上層建築に向って、簇々と有為新進の担当者を送りこむためのベース・キャンプとなった。