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くろふねぜんご

黒船前後・志士と経済他十六篇

服部 之総

服部之総『黒船前後・志士と経済他十六篇』。同一底本的分册已合并为一书。收入:黒船前後、志士と経済、空罎、加波山、咸臨丸その他、汽船が太平洋を横断するまで、黒田清隆の方針、黒船来航、新撰組、せいばい、尊攘戦略史、撥陵遠征隊、福沢諭吉、武鑑譜、望郷、蓮月焼、Moods cashey。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 121,901 字 · 247 页

青空文庫

同学の手塚氏に、学生の家系調査のことをおすすめしておいた。でき上ればいろんないみでよい参考になると思う。

札幌となればことが変る。この石狩平野は、小説『石狩川』がくりひろげているような光景で、太政官政府の開拓使時代に拓かれたものである。内地のどこの家庭でも、北海道に一人二人の知人をもたぬ家はないであろう。夜おそい札幌に出迎えて下さった人々のうち、たとえば北大の鳥山成人君は厳父が歩兵将校として札幌在任中にうまれた人、峯※(「(冫+臣+犯のつくり)/れんが」、第3水準1-87-58)君の亡父は長崎県人で拓銀の模範社員とうたわれた人、十幾年ぶりでおめにかかった母堂の生家は秋田藩士族の移住者であるといったふうなのだ。

ここは日清戦争で台湾をとる日までの、唯一つの植民地北海道の中点であった。日本中の隅々からはじきだされた人々が、開拓使長官黒田清隆のタクト棒のまにまに、それぞれの運命をみずから開拓していった首府なのだ。移住者に肌着のごとくつきまとっていた方言や風俗のいっさいが相互に中和され、東京が江戸を殺して中性的な東京語をつくったのよりもっと手早いテンポでもって、東京弁と区別のつかぬいまの道弁をつくっていった都市である。