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ぐうたらどうちゅうき
ぐうたら道中記
佐々木 邦
線上閱讀佐々木 邦《ぐうたら道中記(ぐうたらどうちゅうき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 164,113 字 · 332 頁
白鳳城を知らなくても鍵屋の辻を知らないものはありません。伊賀越は忠臣蔵や曽我物語と共に日本の三大仇討になっていますからな。尚おその大立者の荒木又右衛門が矢張り伊賀の人ですから、鍵屋の辻は、純国産の旧蹟で私達も鼻が高いのです」
と約三百年前の経緯を子供の時分に目撃した出来事のように物語り始めた。例えば、
「又五郎の一行を待ち受けている間に又右衛門は数馬その他二名のものとあの辻の飲食店で腹拵えを致しました。伊賀の人でしたが、この日は特に茶粥を控えました。切合最中に差支えては困ると思ったのでしょう。何を喰べたかと申すと蕎麦と鰯だったそうです。蕎麦は側に通じ、鰯は当地の方言の果すに似ています。蕎麦で鰯、即ちその場でやっつけてしまうと縁起を祝ったのです。小便の用心をしたところは私よりも先見の明がありますが、矢張り迷信家だったと見えますな。この飲食店もつい先年まで残っていましたよ」
といった行き方でこれが尠からず興を添えた。鰯された連中の後始末から松本さんは白鳳城の紹介へ移って、
「若し竣成したら確に日本一の名城になるところでした」
と残念がった。天神さまのお祭典に就いても、