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ぐうたらどうちゅうき

ぐうたら道中記

佐々木 邦

線上閱讀佐々木 邦《ぐうたら道中記(ぐうたらどうちゅうき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 164,113 字 · 332 頁

青空文庫

第三回

宜しく頼むぜ」

「成る可く楽に拵えて呉れ給えよ。村岡君の予定はそんなに猛烈だったかね。危い/\。若し君が一行に加わって呉れなかろうものなら、僕は村岡君に彼方此方引っ張り廻されて神経衰弱が重くなるところだったね」

と三輪さんは呆れたように言った。

擦ったの揉んだのと言ってナカ/\手間がかゝる。出発までにはもう一遍寄り合って相談をするのだそうだ。待ち遠いことだなあ。尤も僕は未だ学校が休暇にならない。

第三回

団さんから戴いた謄写版刷りの旅行日程と毎日のように首っ引きをして待っていた甲斐があって、イヨ/\出発の日が来た。僕は朝の八時前にお父さんと三輪さんのお供をして東京駅へ俥で駆けつけた。家からはお母さんが子供を悉皆引き具して、三輪さんからは奥さんが無い袖は振られぬとばかりに拠なく独りぽっちで、いずれも見送りに出て来た。お父さんは水盃をした昔の癖の抜け切らない日本人は一寸のことにも見送りか出迎えが大袈裟で困ると言って平常こそ貶しているが、自分が旅行をする段になると妻子挙って見送りに来ても一向困らない。圭二を抱いたりして却って喜んでいる。大抵の人がお父さんのように理論と実行の間に厳然たる区別を立てゝいるから、東京駅は随分雑沓する。