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ぐうたらどうちゅうき

ぐうたら道中記

佐々木 邦

線上閱讀佐々木 邦《ぐうたら道中記(ぐうたらどうちゅうき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 164,113 字 · 332 頁

青空文庫

と団さんが褒めた。

「松浦橋の少し上に松浦石がございます」

と車屋の丁が教えて呉れた。

「まあ、松浦姫の石が真正に残っているんですか?」

と田鶴子さんが好奇心を動かした。

「何と申しても虹の松原が一番の名所でございます」

と車屋の戊が言った。これで、

「さあ、参りましょう」

と一同声を揃えれば全然芝居だ。

松浦橋は実際長かったが、最早大分老朽と見えてユラ/\している。渡って右へ折れると間もなく松原へ出た。

「この松原は虹の形をしていますので虹の松原と申します」

と三輪さんの車屋が説明を始めた。

「好い松が揃っているね。千代の松原よりも此方の方が好いようだ」

と三輪さんが褒めると、

「何誰もそぎゃんにいわっしゃいます」

ところへ例の軌道車がポッ/\と喘ぎながらやって来た。

「あんなに煤煙を吹っかけちゃ松が枯れてしまうだろうね?」

と三輪さんが心配した。

「松の為めにも好くないと申します」

と車屋は軌道車を目の敵にしている。

「三輪君は名君だからね。始終草木のことまで苦労にしている」

と前の車からお父さんが振り返った。

「こんな松は節が多くて余り好い材木にはならないよ」