輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
さぶ
さぶ
山本 周五郎
線上閱讀山本 周五郎《さぶ》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 210,521 字 · 415 頁
「おめえ自分でそういうめにあったか、といってやればよかった」栄二は肱枕で横になりながら、口の中でそっと呟いた、「――おらあ立ちあがったとき、あのずくにゅうの禿頭を一つぶん殴ってやろうかと思った、そしてずくにゅうが怒ったら、辛抱しんぼうと云ってやるんだ、へ、与平の云いぐさじゃあねえが、他人の痛みなら三年だってがまんができる、てめえの知らねえ痛みに、知ったかぶりの講釈をするなってんだ」
そう呟いているうちに、栄二は自分の眼の裏が熱くなり、涙があふれ出てくるのを感じた。誰一人よせつけず、世間もあらゆる人間も敵だと思いきって、固い殻の中に閉じこもっている自分が、急に自分で哀れになったのである。――ほかの人足たちはもう寝床にはいっていて、中には鼾をかいている者もあった。その鼾の声を聞いていると、この広い世間に自分だけがたった一人でとり残されたような、息苦しい孤独感におそわれ、栄二はけんめいに嗚咽をこらえながら、着たままで夜具の中へもぐりこんだ。
病人置場から出て来た才次は、口から上を晒木綿で巻き、眼のところだけあけてある穴から、栄二を絶えず睨んでいた。ちょっとでも隙があったらとびかかろうと、全身で身構えているような眼つきであった。