輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
それでもわたしはいく
それでも私は行く
織田 作之助
線上閱讀織田 作之助《それでも私は行く(それでもわたしはいく)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 89,708 字 · 181 頁
三
宮子は思わずキンキンと弾んだ声になった。
「そうです」
「小郷はあたしの家よ。そこ曲ったところ。うふふ……。いやでも御一緒ってわけね。うふふ……」
宮子は意味ありげな笑いを、蓮ッ葉に笑いながら、鶴雄を誘って曲り角を折れて行った。
やがて、大きな門構えの家の前まで来ると、
「ここよ。さア、どうぞ」
宮子はくぐり戸をあけて、先にはいったが、鶴雄はふと突っ立って、
「小郷虎吉」
という標札をじっと挑み掛るように見上げていた。
「何をぼんやりなすってるの。どうぞ」
宮子はじれったそうに言った。
三
宮子にうながされて、鶴雄は思い切って中へはいった。
「これがあの弓子の姉をひどい目に合わせた小郷虎吉の家か」
と、思うと、中へはいるのは何か不潔なような気がして、ふとためらったが、しかし、とにかく山吹教授の紹介状を貰ってここまで来たのだし、それに宮子に案内されてついて来た以上、まさかはいらぬわけにもいかなかった。
白い椿の咲いている庭を通って、やがて鶴雄は応接室へ通された。
「一寸待ってね」
宮子は親しそうな口を利いて、出て行くと自分の部屋にはいり、三面鏡の前に坐って、化粧をなおしながら女中を呼んだ。