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まんようしゅうか
万葉秀歌
斎藤 茂吉
線上閱讀斎藤 茂吉《万葉秀歌(まんようしゅうか)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 213,820 字 · 427 頁
これは皇子が、生死の問題に直面しつつ経験せられた現実を直にあらわしているのが、やがて普通の※(「覊」の「馬」に代えて「奇」、第4水準2-88-38)旅とは違ったこととなったのである。写生の妙諦はそこにあるので、この結論は大体間違の無いつもりである。
中大兄皇子の、「香具山と耳成山と会ひしとき立ちて見に来し印南国原」(巻一・一四)という歌にも、この客観的な荘厳があったが、あれは伝説を歌ったので、「嬬を争ふらしき」という感慨を潜めていると云っても対象が対象だから此歌とは違うのである。然るに有間皇子は御年僅か十九歳にして、斯る客観的荘厳を成就せられた。
皇子の以上の二首、特にはじめの方は時の人々を感動せしめたと見え、「磐代の岸の松が枝結びけむ人はかへりてまた見けむかも」(巻二・一四三)、「磐代の野中に立てる結び松心も解けずいにしへ思ほゆ」(同・一四四、長忌寸意吉麿)、「つばさなすあり通ひつつ見らめども人こそ知らね松は知るらむ」(同・一四五、山上憶良)、「後見むと君が結べる磐代の子松がうれをまた見けむかも」(同・一四六、人麿歌集)等がある。併し歌は皆皇子の御歌には及ばないのは、心が間接になるからであろう。