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「もくせい」ごうのなぞ
中谷宇吉郎集 第六巻
中谷 宇吉郎
線上閱讀中谷 宇吉郎《中谷宇吉郎集 第六巻(「もくせい」ごうのなぞ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 130,784 字 · 269 頁
「しかし地球物理学には、どうしても仮定が」
「いいえ、地球物理学というものは、そういうものでは御座いません」
「まあ、そうやかましくいわなくても」
「いいえ、これはそういう問題では御座いません。今日の御話は、徹頭徹尾出鱈目であります」
「まあ、君、そうひどいことを」
「いいえ、今日の御話と限らず、この頃先生が、この談話会で御話をなさいますものは、全部出鱈目であります」
といわれるんだ。どうも驚いたね。皆すっかり固くなっちゃってね。口の出しようがないんだ。田中館先生が、「まあ、まあ、君」というわけで、やっとほっとしたよ。いや凄かったなあ」。
それから当分の間は、実験室の中は、この話でもち切りであった。当時の長岡先生の権威というものは、今日の人たちには、想像も出来ないくらいであった。「先生、決死の勇をふるったんだね」などと、悪童どもは、気楽なことをいって喜んでいたものである。
寺田先生が小宮(豊隆)さんに、ああいう先生は「一度鼻を攫んでぐいとねじり上げて置かないと癖になる」といわれたのは、この時の話である。この名台詞は、小林勇君の『回想の寺田寅彦』に寄せられた、小宮さんの長い序文の中にある。