輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
じんがいまきょう
人外魔境
小栗 虫太郎
線上閱讀小栗 虫太郎《人外魔境(じんがいまきょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 101,713 字 · 205 頁
「とは、どういう事だね」
「あっしゃ、あれがルチアノ一味の『フラム号』じゃねえかと思います。全部、新品の帆なんてえ船は、たんとねえんだから……」
そこで、補助機関が焚かれ、船脚が加わった。全帆、はり裂けんばかりに帆桁を鳴らし、躍りあがる潮煙は迷濛な海霧ばかり。そうして、二、三海里近付いたとき双眼鏡をはずした水夫長が、
「やっぱり」と、言葉すくなに折竹をみる……その顔には言外の恐怖があった。
まるで、送り狼のような「フラム号」の出現。それに、ルチアノやフローが乗っているかどうかは知らないが……とにかく、この二探検船の前途になに事かが起るということは、もうここで贅言を費やすまでもないだろう。
自然への反抗とともに、ルチアノ一派との闘い、氷原の道には、ますます難苦が想像されてくる。
そこからは、かつての北極踏破者ピアリーが名付けたという、中部浮氷群の広漠たる塊氷のなか。やがて、“Kangek”岬を過ぎ、“Upernavik”島を右に見て、いよいよ拠点となるホルムス島付近の「悪魔の拇指」という一峡湾に上陸した。仮定「冥路の国」の位置はこの地点からみると、真東に二百五十マイルほどのあたりに当る。