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じんがいまきょう

人外魔境

小栗 虫太郎

線上閱讀小栗 虫太郎《人外魔境(じんがいまきょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 101,713 字 · 205 頁

青空文庫

いよいよ、地底の晦冥国へ。

「やはり、石油ガス」

とまっ暗ななかで鼻をうごめかし、セルカークが聴えぬような声で呟いた。おそらく、どこかに噴出孔があるのだろう。そして、岩石が落下するときの摩擦の火花で点火するのが、例の怪光だろうと思われた。

三人は、各人各様の気持――。折竹は、故国のために油層下の道をきわめようという。セルカークは、油脈探しの前身を見事露きだして、ほとんど天文学数字にひとしい巨大な富を握ろうと……。また、オフシェンコはと……。いうなかにも折竹の、心の琴線に触れるのはザチのこと。彼はいかにしても地底の女王に遇いたかったのである。

その間も、懐中電灯のひかりが四方へ投げられている。石筍はあり天井から垂れている美しい石乳も、どんよりした光のなかでは、老婆の乳房のよう。絶えず、岩塩の粉末が雨のように降ってくる。しかし塩が吸うので毒ガスの危険はなく、三人は安堵して進むことができたのだ。

二万マイルの道、北は、新疆のロブ・ノールから外蒙へまで、あるいはソ領中央アジアへもコーカサスへも、アフガニスタン、イランをとおり紅海のしたから、この地下の道はサハラ沙漠まで、ゆくだろう。