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しゅっけとそのでし
出家とその弟子
倉田 百三
線上閱讀倉田 百三《出家とその弟子(しゅっけとそのでし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 121,812 字 · 248 頁
お兼 まあ(暗い顔をする)そんな事を言うかい。
松若 うむ。宅のおとうさんをいじめるから、私はお前をいじめてやると言って雪をぶっかけたよ。
お兼 悪いことをするやつがあるね。大丈夫だよ。私がお師匠様に言いつけてやるから。
松若 いんや。私が一度お師匠様にいいつけたら、帰り道によけいにいじめたよ。(残念そうに)道ばたの田の中に押し落としたりしたよ。
お兼 まあ。そんなひどい事をするかえ。心配おしでないよ。私が今によくしてあげるからね。
松若 うむ。(うなずく)
お兼 (戸棚から皿に干し柿を入れて持ちきたる)さあ、これをおあがり。秋にかあさんが干しておいたのだよ。私はちょっとお台所を見て来るからね。(裏口から退場)
松若柿を食う。それからあたりを見回し仏壇の前に行き、立ったまま不思議そうに仏像を見る。それからすわってちょっと手を合わせ拝むまねをする。それから卓の上の本を捜し、絵本を一冊持って炉のはたにきたり、好奇心を感じたらしくめくって見る。
お兼 (登場。前掛けで手をふきつつ)おいしかったろう。(間)何を見ているのだえ。
松若 うむ。おいしかったよ。(熱心に絵本に見入る)