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しゅっけとそのでし

出家とその弟子

倉田 百三

線上閱讀倉田 百三《出家とその弟子(しゅっけとそのでし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 121,812 字 · 248 頁

青空文庫

第二場

もしかのことがあったらとり返しがつきません。あなたのほかに申しあげるかたはありますまい。

唯円 けさのうちに私が誠心こめて願ってみよう。お師匠様もお心ではお気にかかりあそばしていらっしゃるのにちがいないのだから。

勝信 さようでございますとも。私もいっしょにお願い申しましょう。(向こうを見る)おやお輿が参りました。

唯円 お見舞いのかただろう。お出迎え申さなくては。

唯円、勝信門口に立ち迎える。

家来二人 (輿に従うて登場。輿止まる)主人橘基員。お見舞いのため参上つかまつりました。

唯円 よくこそお越しくだされました。昨日は御殿医様をわざわざおつかわしくだされまして、まことにありがとうございました。どうぞお通りくださいませ。御案内申し上げます。

唯円、勝信先に立ちて退場。侍二人輿に付き添いて門に入る。

――黒幕――

第二場

親鸞聖人病室。

正面に仏壇。寝床の後ろには、古雅な山水の絵の描かれた屏風が立て回してある。枕もとに脇息と小さな机。机の上に経書、絵本など二、三冊置いてある。薬壺、湯飲み等を載せた盆。その上に白絹の布が掩うてある。すべて品よき装飾。襖の模様もしっとりとした花や鳥など。