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しゅっけとそのでし
出家とその弟子
倉田 百三
線上閱讀倉田 百三《出家とその弟子(しゅっけとそのでし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 121,812 字 · 248 頁
なんとくるしく候とも、そのくるしびに打ちまかせて、しなばしぬるまでと、なに心もなくゆうゆうとおぼしめしたもうべし。くれぐれこの御心もち、忘れたもうまじく候なり。源空。母上様。(手紙を巻き返しつつ)終わりのほうを読むのはあまりに恐ろしゅうございます。
親鸞 その母上へのお手紙は、そのまま私へおおせきけられるお師匠様のはげましのおことばのような気がする。もう時はせまって来た。わしが長いあいだ待っていた、けれどまたおそれていた時が。わしははげましの必要を感じる。わしはおそろしい不安と、それに打ちかとうとする心とのたたかいを感じている。
勝信 (不安をかくす)そのようなことがあっていいものですか。このようにお元気なのですもの。皆が御回復をお祈り申しているのですもの……もうお薬ができたでしょう。お召しあがりなされませ。(宿直の部屋に立とうとする)
親鸞 お薬はもうよろしい。ここにいてくれ。わしはもうかくごしているのじゃ。わしはお前がそのようなことを言って、なぐさめてくれねばならぬほど弱そうに見えるかな。
勝信 …………
親鸞 もうそのようなことは言うてくれるな。私がこの不安に――さけがたい恐怖に打ちかつことができるように励ましてくれ。