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しゅっけとそのでし

出家とその弟子

倉田 百三

線上閱讀倉田 百三《出家とその弟子(しゅっけとそのでし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 121,812 字 · 248 頁

青空文庫

第二場

お兼 どうぞ私の夫を呪ってやってくださいますな。(泣く)悪いやつでもゆるしてやってくださいまし。

親鸞 心配なさるな。私はむしろあの人は純な人だと思っていますのじゃ。

慈円 あまりひど過ぎると思います。

良寛 (涙ぐむ)お師匠様。私はなさけなくなってしまいました。

――黒幕――

第二場

舞台一場と同じ。夜中。家の内には左衛門、お兼、松若三人枕を並べて寝ている。戸の外には親鸞石を枕にして寝ている。良寛、慈円雪の上にて語りいる。

慈円 夜がふけて来ましたな。

良寛 風は落ちましたけれど、よけいに冷たくなりました。

慈円 足の先がちぎれるような気がします。(間)お師匠様はおやすみでございますか。

良寛 さっきまで念仏を唱えていられましたが、疲れて寝入りあそばしたと見えます。

慈円 すやすやと眠っていられますな。

良寛 お寝顔の尊い事を御覧なさいませ。

慈円 生きた仏様とはお師匠様のようなかたの事でしょうねえ。

良寛 私はおいとしくてなりません。(親鸞の顔に雪がかかるのを自分の衣で蔽うようにする)

慈円 なかなかの御苦労ではございませんね。

良寛 私は若いからよろしいけれど、お師匠様やあなたはさぞつろうございましょう。