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しゅっけとそのでし
出家とその弟子
倉田 百三
線上閱讀倉田 百三《出家とその弟子(しゅっけとそのでし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 121,812 字 · 248 頁
親鸞 はい少し風をひきましてな。もうほとんどよいのです。
同行二 どうぞお大切になされてくださいませ。
同行三 皆の者がいかほどおたより申しているか知れないのですから。
親鸞 はいようおっしゃってくださいます。(間。唯円をさし)この人は常陸から来ているのです。
唯円 私は常陸の大門村在の生まれでございます。
同行一 同じお国と聞けばなつかしゅうございます。もう長らく京にいられるのでございますか。
唯円 国を出てから十年になります。国には父が残っていますので恋しゅうございます。
親鸞 十五年前に私が常陸の国を行脚したおりに、雪に降りこめられてこの人の家に一夜の宿をお世話になったのです。それが縁となって、今ではこうして朝夕いっしょに暮らすようになりました。
同行二 因縁と申すものは不思議なものでございますな。
僧一 袖の振り合いも他生の縁とか申します。
僧二 こうして皆様と半日をいっしょに温かく話すのでも、縁なくば許される事ではありませんね。
僧三 一つの逢瀬でも、一つの別れでもなかなかつくろうとしてつくれるものではありませんね。人の世のかなしさ、うれしさは深い宿世の約束事でございます。