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じゅうにしこう

十二支考(上)〔全2冊〕

南方 熊楠

線上閱讀南方 熊楠《十二支考(上)〔全2冊〕(じゅうにしこう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 290,735 字 · 566 頁

青空文庫

例も尠からず、一六二八年、仏国ラ・ロシェルに立て籠った新教徒降った時、仏王の将軍、かの徒の寺に懸けあった鐘を下ろし、その罪を浄めるため、手苛く笞懲したは良かったが、これを買った旧教徒に、王人をして代金を求めしむると、新教徒が旧教に化した時、その借金を払うに三年の猶予ある、因ってこの鐘も三年待ってくれと言ったとは珍譚じゃ(コラン・ド・プランチー『遺宝霊像評彙』一八二一―二年版、巻三、二一四頁)。

『太平記』に三井の鐘破れたるを、小蛇来り尾で叩いて本に復したとあるは、竜宮から出た物ゆえ、竜が直しに来た意味か、または鐘の竜頭が神異を現じた意味だろう、名作の物が、真物同然不思議を働く例は、『酉陽雑俎』三に、〈僧一行異術あり、開元中かつて旱す、玄宗雨を祈らしむ、一行いわく、もし一器上竜状あるものを得れば、まさに雨を致すべし、上内庫中において遍ねくこれを視せしむ、皆類せずと言う、数日後、一古鏡の鼻の盤竜を指し、喜びて曰くこれ真竜あり、すなわち持ちて道場に入る、一夕にして雨ふる〉。『近江輿地誌略』十一には、秀郷自分この鐘を鋳て三井に寄附せりとし、この鐘に径五寸ばかりの円き瑕あり、土俗いわく、この鐘を鋳る