輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

こきんしゅうまきのご

古今集巻之五

山本 周五郎

線上閱讀山本 周五郎《古今集巻之五(こきんしゅうまきのご)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 21,482 字 · 43 頁

青空文庫

主計はまた横になった。

神田橋御門の内にある屋敷へ帰ったのは、まだ十時まえであった。表門は刻限で閉るが、ぬけ遊びには門番にくすりがきかせてあって(おそらくたいていの屋敷が同じことだろう)十二時ぎりぎりまでは門を通ることができる。しかし寄宿している間崎家はそうはいかないので、おそくなると丹野で泊ることにしていた。その夜も例のとおり、庭へまわって、丹野の居間の外に当る廊下の雨戸を叩いた。すぐに返辞が聞え、丹野真が雨戸をあけた。

「ひさ松か」と丹野が訊いた。

「泊めてもらうぞ」と主計が云った。

丹野は雨戸を閉めた、「碁で夜明しという口実は、もう間崎さんにみぬかれているぞ」

「みぬけなければめくらだ」

「憎まれ口はうまいな」

丹野はしらべものをしていたらしい。居間のまん中に机を出し、その左右に帳簿や書類がちらばっていた。主計は窓際へゆき、刀を脇へ置くと、そこへ肱枕で横になった。まるできちんと坐り直すようなぎごちない動作で横になり、それから云った。

「おれは国許へ帰る」

丹野は机に向って坐り、硯の脇にあった手紙を取って、主計のほうへ押しやった。

「岡本から手紙だ」

「国許へ帰すという話があったんだろう」