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こきんしゅうまきのご
古今集巻之五
山本 周五郎
線上閱讀山本 周五郎《古今集巻之五(こきんしゅうまきのご)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 21,482 字 · 43 頁
三
五郎太は驚いて主計を見返した。
三
主計はまた見知らぬ人のような顔になり、その眼はかつてみせたことのない、激しい怒りをあらわしていた。
「そういうつもりではなかった」と五郎太は会釈した、「気に障ったら勘弁してくれ、それで、――灸寺へいったのか」
慈命寺の灸は、子のない婦人にも効果があるそうで、杉江はでかけてゆき、一とめぐり七日ずつかよった。十月からずっと、月に七日ずつ、欠かさず点灸にかよい続けた、と主計は云った。そう話しているあいだに、彼の表情はゆるみ、怒りの色もすっかり消えていた。
「今月で約半年だな」と五郎太が訊いた、「それで、効果がなかったのか」
「なかったと思うが、――わからない」
「わからないって」
「灸を続けるあいだは」と云いかけて、主計は眩しそうな眼つきをした、「寝間をともにしないようにと云われたそうだ」
「半年もか」
「なんでもないさ」と主計が云った、「おれは三十で結婚したくらいだ、必要なら一年だって二年だって平気だよ」
そのとき伊太夫が来て、柳田良庵が来たと告げた。五郎太は伊太夫を待たせて、「おれが会う」と主計に云った。
「これは病死にしなければならない」