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うもんとりものちょう

右門捕物帖(四)

佐々木 味津三

線上閱讀佐々木 味津三《右門捕物帖(四)(うもんとりものちょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 167,105 字 · 337 頁

青空文庫

震え声にもうちぢみあがっている伝六を従えながら、注意深く影を隠してふたりのあとをつけました。

5

ひと曲がり、ふた曲がり、三曲がりと曲がって、忍びに忍びながら、ふたつの影は、通り新石町をまっすぐに柳原へかかりました。

右は籾倉、左は土手。

さびしいその柳原堤に沿って下ると、和泉橋です。櫃をかかえた影を先に、二、三尺離れて女中の影がこれを守りながら、ふたりの女は、その和泉橋からくるりと左へ折れました。

同時のように、ふたりは、にわかにあたりへ注意を配りはじめましたが、目ざした場所が近づいた証拠なのです。

と思うまもなく、ふたつの影は、そこの松永町の横通りをはいった福仙寺の境内へ、ひらひらと吸われるように駆けこみました。

「ちくしょう。墓だ! 墓だ! 新墓をあばいて、死人の血を絞りに来たにちげえねえですぜ」

「黙ってろい。しゃべらねえという約束じゃねえか。聞こえて逃げたらどうするんだ」

「だ、だ、だまっていてえんだが、あんまり気味のわりいまねばかりしやがるんで、ひとりでに音が出るんですよ。埋めたばかりの死人なら、血の一合や二合絞り取れねえってえはずはねえんだ。