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うもんとりものちょう
右門捕物帖(四)
佐々木 味津三
線上閱讀佐々木 味津三《右門捕物帖(四)(うもんとりものちょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 167,105 字 · 337 頁
「奥へ通るぞ」
「あの、ちょっと、どなたさまでござります、薬のご用ならこちらで承りまするが、何品でござりましょう」
「これ、勇吉、何をそそういたしまする!」
早くも見つけたか、やさしくしかっていそいそと出てきたのは、姉娘のお秋らしいしとやかな美人です。目に憂いがあって、どことなく寂しい面ざしでしたが、なかなかのしっかり者とみえて、目ききもたしかでした。
「失礼なことを申して、なんでござります! だんなさまのあの巻き羽織が目につきませぬか。とんだ無作法をいたしました。なんぞご密談でも?」
「少しばかり。そなたがお秋どのか」
「さようでござります。父はちょっと他出いたしましてただいま不在にござりまするが、御用でござりましたら、この秋が代わって承りまするでござります。奥へどうぞ」
応対のさわやかさ、物腰のしとやかさ、一糸の乱れもない。母代わりとなって妹弟ふたりを育ててくれたとお冬がいったのも、なるほどとうなずかれるのです。
導き入れた一室は、ちり一つない奥の広やかな客間でした。
「なにから何までがべっぴんだね」
「はい……?」
「いいえ、用のあるのはあっしじゃねえ。だんなえ、ぼんやりしていちゃいけませんよ。