輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
だいぼさつとうげ
大菩薩峠1
中里 介山
線上閱讀中里 介山《大菩薩峠1(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 200,314 字 · 398 頁
これから峠へかかって三里、茶屋も宿屋もないものと思わねばならぬ。さては夜道をするつもりで草鞋を穿き替えたものと見える。
「雨か」
竜之助が立ち止まって天を仰いだ時は、鈴鹿の山も関の雄山も一帯に夜と雨とに包まれて、行手に鬱蒼と一叢の杉の木立、巨人の姿に盛り上って、その中からチラチラと燈明の光が洩れて来る。
身はいつか鈴鹿明神の鳥居の前から遠からぬところに立っていたのであります。
「ああ雨か」
この雨は、竜之助が坂の下の宿に入る時分から降り出した雨です。いま見れば笠も合羽もビッショリ、それを気づかず、ここまで来て「雨か」は甚だ遅い。
「あの客人はどこへ行かんすやら」
大竹小竹の宿引が不審の眼をったのも気がつかず、一文字にここまで来て、
「雨では山越しも困る」
鈴鹿明神の森の中を見込むと、鳥居の右へ向っては峠の山道、鈴鹿御前の社と内外宮とが棟を並べた中に、春日形の大燈籠の光も雨に濡れている。左手にはそそり立つ大杉一幹、その下に愛宕の社、続いて宮司の構。竜之助はそのいずれへも行かず、正面から鳥居を潜って杉の大木の下の石段を踏む。引返したとていくらの道でもあるまいものを。