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だいぼさつとうげ
大菩薩峠4
中里 介山
線上閱讀中里 介山《大菩薩峠4(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 264,133 字 · 524 頁
廊下を突き当って、その洋式の研究室へ入るには、やはり洋式の扉であります。扉の傍の窓の隙から能登守はまず室内の様子を覗いて見ました。
火の気のなかるべきところに意外にも燈火が点いています。それは真中の卓子の上へ裸蝋燭を一本立てて置いてあるのであります。その裸蝋燭の光で朦朧としてそこに二箇ばかりの人影が、卓子を囲んでいることを能登守は認めることができました。その何者であるかを、一見しては見極めることはできませんでしたけれども、二度目によく眼を定めて見れば、それが破牢人の片割れであることは直ぐに知れたのであります。
能登守は微笑しました。逃げ込むのにことを欠いて、この室内へ逃げ込んで来るとは、飛んで火に入る虫よりも無謀な者共であるわいと、腹の中でおかしいくらいに思いました。
しかしながら、それにしても彼等が存外、落着き払っていることが、能登守をして多少感心させないわけにはゆきません。それと知るや知らずや彼等は、世の常のお客に来たような心持で、椅子へ腰をかけて、物珍らしそうにこの室内を見廻しているのでありました。
「ははア、なんとこれは珍らしい一室である、見給え、壁の間には大きな黒船の額がかかっている、洋夷の調練している油絵がある、こちらの棚に並べてあるのはありゃ大砲の雛形で、五大洲の地図もあれば地球儀もある、