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だいぼさつとうげ

大菩薩峠4

中里 介山

線上閱讀中里 介山《大菩薩峠4(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 264,133 字 · 524 頁

青空文庫

十三

「ともかくも、馬に乗りて弓をひくことの保養をして御覧あれ、明日とも言わず、ただいまより庭へ出でて、馬を調べ、弓矢を択んで試みてはいかがでござる」

「それは願うてもなき仕合せ。しからば仰せに従いて、これより直ちに」

「厩へ案内致させ申そう、そのうちにてよき馬を遠慮なく択み取り給え、弓矢も望み次第のものを」

兵馬は喜んで、能登守のあとに従いました。

その日から宇津木兵馬は、能登守の邸内の馬場で馬を責めました。馬は有野村の藤原家からすぐって来た栗毛の逸物であります。

十三

そうしているうちに、二月初卯の流鏑馬の当日となりました。

八幡の社前で流鏑馬が行われるのみならず、竜王の河原では花火が打ち上げられました。町々の辻では太鼓の会がありました。それで甲州一円の人が甲府の市中へ流れ込みました。最初の二日は、名は流鏑馬であるけれども実は競馬であります。

馬場の一面には、八幡宮の鳩と武田菱との幔幕が張りめぐらされてあり、その外は竹矢来でありました。

南の方の真中に両支配の桟敷があり、その左は組頭、御武具奉行、御破損奉行、御仮目附、それから同心、小人などの士分の者の桟敷であり、右の方は、それらの人たちの奥方や女房のために設けられた桟敷でありました。