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だいぼさつとうげ
大菩薩峠4
中里 介山
線上閱讀中里 介山《大菩薩峠4(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 264,133 字 · 524 頁
八
と、おかしなことを口走りました。雪なんぞは降らなくてもいい、竹筒っぽうでも降ればいいというのは、あまり聞き慣れない譬であります。竹筒っぽうが降れという注文は、あんまり飛び離れた注文でありましたけれど、兵馬はそれを聞いて頷きました。取って返して例の竹筒を取り上げて、その中に入れてあった薬を手早く傍の紙へあけて、その代りに、いま書いたお松への返事の手紙を入れてしまって元のように栓をして、障子を前よりはもう少し広くあけると、覘いを定めてポンと下へ投げ落しました。まもなく、
「降りやがった、降りやがった」
という声が聞えました。兵馬はその声を聞いて安心して、なお障子の隙から見ていると、米友は自分が投げた竹筒を拾って、これも手早く懐中へ忍ばせてしまって、怪訝な面をしてこちらを見上げていたが、どこかへ行ってしまいました。
八
年が明けて、松が取れると、甲府城の内外が遽かに色めき立ちました。
平常、何をしているのだかわからない連中たちが、だいぶ働きはじめました。勤番支配以下、組頭、奉行、それぞれに職務を励行することになりました。
これは、年が改まって心機が一転したからではありません。