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だいぼさつとうげ
大菩薩峠4
中里 介山
線上閱讀中里 介山《大菩薩峠4(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 264,133 字 · 524 頁
これだけは尋常の人にはできないことでありました。けれども和尚は決して、そんなことを自慢にしてはいません。自分の拳が、自分の口の中へ入るというようなことをにも人に示したことはありませんから、はじめて和尚を見た人は、さても円い面の人があるものだと驚き、次に大きな口もあればあるものだと驚き、あとで人から、あの口へあの拳が入るのだと聞いて、三たび驚くのでありました。
宇津木兵馬もこの和尚に相見の時から、三箇の驚きを経過しました。慢心和尚は宇津木兵馬からその身の上と目的を聞いて後、例の慢心は持ち出さないでこう言いました。
「わしはその敵討というのが大嫌いじゃ」
兵馬は和尚のその言葉に、平らかなることを得ませんでした。
「しからば悪人を、いつまでもそのままに置いてよろしいか」
「よろしい」
「それがために善人が苦しめられ、罪なき者が難渋し、人の道は廃り、武士道が亡びても苦しうござらぬか」
「苦しうござらぬ」
「これは意外な仰せを承る」
「この世に敵討ということほどばかばかしいことはない、それを忠臣の孝子のと賞める奴が気に食わぬ」
「和尚、御冗談をおっしゃるな」
と兵馬は、慢心和尚の言うことを本気には受取ることができません。