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だいぼさつとうげ

大菩薩峠4

中里 介山

線上閱讀中里 介山《大菩薩峠4(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 264,133 字 · 524 頁

青空文庫

なおその上に間抜けなことは、背中に大きな石地蔵を一つ背負っていることで、それを背負ってウンウン唸りながら、ここまで登って来たと思われる御苦労さであります。

「こんちは」

その大きな物体は、今、背中の石地蔵を作事小屋の中へ運び入れて、台の上へ寝かしておいてから、額の汗を拭き拭きまた米友の前へ来て、二度目に、こんちは、と言いました。

「こんちは」

米友もまた妙な面をして、この男に挨拶を返しました。

「お前さんは、この峠をお通りなさるのは初めてでござんすべえ」

と間抜けた男がニコニコしながら、米友にこう言いました。

「ああ、初めてだよ」

「だからお前さん、猿におどかされなすったのだ」

「ほんに憎い畜生よ」

米友の余憤は容易に去らないのであります。

「何か猿が悪戯をしましたかね」

「俺らがここに置いた、胡麻のついた握飯を盗んで行きやがった」

「それをお前さんが調戯いなすったんでございましょう。だから猿がああして、仲間をつれて来て嚇すんでございますよ」

「人をばかにしてやがる」

「ナーニ、猿だってそんなに悪い者じゃありましねえよ」

この男は、なにげなき体でニコニコしていることが、米友には幾分か癪にさわらないではありません。