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だいぼさつとうげ

大菩薩峠4

中里 介山

線上閱讀中里 介山《大菩薩峠4(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 264,133 字 · 524 頁

青空文庫

八

「さあ、お前たち、これができるようになったら、裏口から忍んで出るには及ばない、大手を振って山門を突き抜けて通るがよいぞ」

と言いながら、和尚はその拳を固めて、あなやと見ているまにその拳を、ポカリと口の中へ入れて見せました。

これには一同、

「あっ!」

と言って驚きました。

八

昨晩、踏台の身代りになったのは、この慢心和尚であったことを、いま思い出しても遅いのであります。師家の頭を踏台にして迷い帰った亡者こそ、いい面の皮でありました。けれども、このことからして、亡者がお寺から迷い出すことがなくなってしまったのは、これ慢心和尚の道力と申すべきものでありましょう。

迷い出すことだけは、ピッタリととまったけれども、若い雲水たちの間に、その都度噂に上るのは、向岳寺の尼寺のことであります。向岳寺の尼寺へ、非常に美しい新尼が来たということを、誰がいつのまに見たのか聞いたのか、そのことが善き意味にも悪しき意味にも、話の種に上って来るのであります。

その向岳寺の新尼とは何者! それよりも先に、向岳寺の尼寺というものの存在を説くの必要がありましょう。

向岳寺の開山は、抜隊禅師、臨済宗のうちにも抜隊流の本山であります。